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CPOとは?必要なスキルや役割について解説

CPOChief Privacy Officerの略称で、組織のプライバシーポリシー、実務、戦略の開発、実施、管理を担当する責任者を指します。

本記事では、CPOの役割や必要な知識・経験など、CPOに関する情報をまとめました。


CPOの役割

CPOの主な役割は、ビジネスニーズと消費者の期待のバランスを取りながら、組織が関連するプライバシー法、規制、および業界標準の遵守を保証することです。

代表的な業務としては、法規に準拠した組織のプライバシーポリシーと手順の策定を指揮することがあります。
作成したポリシーやインシデントを経験し得た知見が組織全体に浸透しているか確認したり、最新のプライバシーに関する法律や規制の変更を組織のポリシーに適応させるなどの運用保守を行います。
新しいプロジェクト、製品、サービスが起案された際には、ポリシーに沿ってプライバシー影響評価も実施します。

また、実際に起こったインシデントに対応するのもCPO率いるチームの役割です。
インシデントが起こる前から様々な部門と協力し、プライバシーに関する懸念に対処し、必要なコントロールを実施するとともにデータ漏洩やその他のプライバシーに関するインシデントが起きた場合にはインシデントを管理し、対応していきます。

その他、CxOと呼ばれる役職には、COO(最高執行責任者、Chief Operating Officer)やCIO(最高情報責任者、Chief Information Officer)などもあります。

CIOについては、CIOの役割や必要な知識・経験、キャリアパスなどを以下の記事で紹介していますので、ぜひ合わせてご一読ください。
CIOとは?必要な知識・スキル・経験やキャリアパスについて解説

CPOに必要な知識・力・経験

関連分野に対する知識・技術

法律、ビジネス、情報技術、公共政策などの関連分野の専門的な知識を必要とする場合が多くあります。CPOの中には、法務博士(JD)、経営学修士(MBA)、情報セキュリティ科学修士などを取得している方もいます。
また、日々進化するプライバシーに関する法律や規制についての情報収集に長けている必要があります。

また、学位だけでなく、関連する資格を取得することが有利です。例えば、CIPP(Certified Information Privacy Professional)などのプライバシー専門の資格があります。

プライバシーやデータ保護に関する経験

プライバシー、データ保護、法務、コンプライアンス、または情報セキュリティの職務における数年間の経験が必要とされます。例を挙げると、プライバシーに関する法律、規制、ベストプラクティスを扱った「ポリシー開発」「リスク評価」「インシデント管理」の経験などを指します。
また、認定資格として、先述のCIPPのほか、認定情報プライバシー管理者(CIPM)、認定情報システムセキュリティ専門家(CISSP)などの専門資格は、プライバシー専門職の経験と深い知識を示すものとして、有利に働くことがあります。

コミュニケーションスキル・リーダーシップ・意思決定力

CPOもCxOの一役職として、組織を牽引するリーダーシップや意思決定能力など、経営のスキルも必要となってきます。
また、異なる部門とのコラボレーション、複雑なプロジェクトの管理にはコミュニケーションスキルは不可欠です。


CPOとCIOの関係性

最高プライバシー責任者(CPO)と最高情報責任者(CIO)の関係は、組織のデータ管理とセキュリティに不可欠であるため、通常、協力的です。
プライバシーポリシーとIT戦略の整合性、およびプライバシーとセキュリティの管理が組織全体に統合されていることを確認するために協力する必要があります。
両者の責務は一部重複する場合もありますが、一般的にはデータ管理と保護の異なる側面に重点を置いています。


この協力関係には以下のようなものがあります:


 ・プライバシーとセキュリティのリスクを特定し、それに対処するための情報とリソースを共有する。
 ・プライバシーとセキュリティのリスクを特定し、対処するための情報やリソースを共有する。
 ・データ漏洩やセキュリティインシデントが発生した場合のインシデント対応作業を調整する。
 ・プライバシーとセキュリティの文化を促進するために、従業員研修や意識向上プログラムなどの共同イニシアティブに参加する。
 ・プライバシーやITに関連する問題、リスク、成果などについて、上級幹部やその他の利害関係者とコミュニケーションをとる。


CPOとCIOの強力なパートナーシップは、組織全体のデータ保護戦略において、リスクの最小化、コンプライアンスの強化、顧客、パートナー、監査的観点からの信頼の醸成など多方面で効果を発揮します。

プライバシーbyデザイン

CPOは、プライバシーbyデザインについても考慮する必要があります。プライバシーbyデザイン(Privacy by Design, PbD)は、プライバシーを製品、サービス、ビジネスプロセスの初期段階から組み込むアプローチです。この概念は、個人情報保護とデータプライバシーを、システムやプロセスの設計と開発の核心的な要素として統合することを意味します。プライバシーbyデザインは、1990年代にカナダのプライバシー専門家であるAnn Cavoukian博士によって提唱され、現在ではグローバルなデータ保護のベストプラクティスと見なされています。このアプローチに基づき、CPOは、ITチームと連携し、新しいシステムやアプリケーションがプライバシーの観点から最適化されていることを確認する必要があります。詳細は以下を参照ください。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000196322.pdf

投稿者プロフィール

神村
神村
新卒で株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジーにアソシエイトコンサルタントとして入社。2021年より一般社団法人CIOシェアリング協議会の運営に関わり、Twitterの運営を担当しています。

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