CEOとは、Chief Executive Officerの略で、最高経営責任者と訳される企業内の経営方針、事業計画における最高責任者です。
本記事では、CEOの役割や求められる資質、キャリアパスなど、CEOに関する情報をまとめました。
CEOとは
CEO(最高経営責任者、Chief Executive Officer)は、一般的に株主・取締役会から権限と責任を与えられた経営トップのポジションであり、経営方針の決定や事業戦略の策定を担う役割と言われています。
その他、CxOと呼ばれる役職には、COO(最高執行責任者、Chief Operating Officer)やCIO(最高情報責任者、Chief Information Officer)などもあります。
CIOについては、CIOの役割や必要な知識・経験、キャリアパスなどを以下の記事で紹介していますので、ぜひ合わせてご一読ください。
CIOとは?必要な知識・スキル・経験やキャリアパスについて解説
CEOの歴史
CEOは、アメリカのコーポレートガバナンス(企業統治)を真似て導入されたものと言われています。
日本が、アメリカのコーポレートガバナンスを導入する契機になったのは、1990年代に発生した日本企業の業績低迷にあったと考えられています。業績低迷の原因の1つが、日本の曖昧なコーポレートガバナンスにあるのではという仮設を基に、多くの企業がアメリカを模した企業統治改革に乗り出すようになり、組織改編とともにCEOの名称も使われるようになったと言われています。
ちなみに、日本で最初にCEOを設置したのは1997年のソニー株式会社と言われています。ソニー株式会社は、所有と執行を分けるアメリカのコーポレートガバナンスを模した執行役員制度を日本で初めて導入するのを機に、アメリカ企業で使われていたCEOの名称を使い始めました。
CEOと代表取締役の違い
代表取締役には、日本の会社法に基づいた権限や責任がありますが、CEOにはありません。
アメリカのコーポレートガバナンスを参考にCEOを導入した日本には、CEOという役職について明確な規定や法律はないのです。
代表取締役は取締役会の代表者です。
一般的には、取締役会がCEOを任命することになるため、取締役会がCEOの上に存在する形となるため、代表取締役とは位置づけが異なります。
日本でもCEOを名乗る人が多くいますが、現在の日本企業のCEOは、各企業の組織図定義に基づいた“自称の“地位ということになります。
そのため、企業によっては、代表取締役や社長などが「兼CEO」を称するケースも多くあると思います。
CEOの役割
一般的によく言われている、CEOの役割を5つ紹介します。
経営方針・事業戦略の策定
会社の経営方針や事業戦略の策定は、CEOの役割と言われています。
株主・取締役会の意思決定に従い、具体的な経営方針や事業戦略を策定し、実現するためのビジョンを描いていきます。
業務執行の統括
業務執行ラインのトップとして会社全体の業務を統括することも、CEOの役割と言われています。
執行の責任者にCOO(最高執行責任者、Chief Operating Officer)を配置している場合でも、最終的に全ての責任を負うのはCEOであり、業務全体を管理する必要があります。
各事業部・執行役員の統率
社内にある複数の事業部門やその執行役員を統率することも、CEOの役割と言われています。
その時々で最適な事業部門を設定し、部門ごとに事業の執行をマネジメントするポジションを配置し、全社員が会社の経営方針や事業戦略を理解した上で事業を執り行えるように統率することも、CEOの役割と言えます。
従業員が育つ仕組みづくり
従業員が育つ仕組みを構築することも、CEOの役割と言われています。
CEOが策定した事業戦略を実行するのは従業員であり、従業員の成長が結果に繋がります。
そのため、経験や教育を通じた人材育成を計画的に行い、その人材の能力を的確に評価して活用できる仕組みづくりを行うことも、CEOの1つの役割と言えます。
株主・投資家への適切な情報開示
ステークホルダーへの説明や投資家への適切な情報開示を行うことも、CEOの役割と言われています。
特に、株主や投資家への適切な情報開示については、市場に対する信頼の確保に必要不可欠です。
CEOに求められる資質
米紙「New York Times」が経営者にインタビューし、CEOに共通する5つの特性をまとめた記事の中では、CEOに求められる資質として以下の5つが挙げられています。
<CEOに求められる資質>
経営方針や事業戦略を考えるうえで、自社を取り巻く市場や社会の動向を把握している必要があります。そのため、CEOは特に好奇心を持ち情報収集し続ける能力が必要と言えます。
経営のトップとして様々な困難に直面することもあると思います。その際に、どんなことがあっても投げ出さずに、解決のために考えて行動し続けることが必要と言えます。
組織のリーダーとして社員を鼓舞し、社員のベストパフォーマンスを引き出す能力が必要と言えます。
CEOは社内だけでなく、社外のステークホルダーとコミュニケーションをとる機会も多いです。そのため、「簡潔」「単純」「明快」なコミュニケーションができることが必要と言えます。
ある程度のリスクヘッジをすることももちろん大切ですが、変化を生み出すことをチャンスととらえ、失敗を恐れずにチャレンジできる大胆不敵な面も必要と言えます。
これらの資質はCEOだけでなく、組織の中でリーダーポジションとなる、CIOを含む多くのCxOにとっても必要な資質であると言えます。
参照:Distlling the Wisdom of C.E.O’s
CEOになるためのキャリアパス
CEOになるためには、一般的に次の3つの方法があります。
社内での昇進
入社した会社でキャリアや実績を積み上げることで株主からの評価を得て、CEOのポジションにつく方法があります。
転職による就任
これまでの自身のキャリアや実績を社外にアピールすることで、他の会社からの評価を得て、CEOとして迎え入れてもらう形でCEOのポジションにつく方法があります。
人材紹介会社などを通じてヘッドハンティングされるケースもあります。
起業して就任
自身で起業することで、CEOのポジションにつく方法もあります。
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投稿者プロフィール
- 新卒で株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジーにアソシエイトコンサルタントとして入社。2020年より一般社団法人CIOシェアリング協議会の運営に関わる。