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DXとは?必要性・得られる効果や推進時のポイントについて解説(前編)

多くの企業でDXが加速し、あらゆる産業において、競争力維持・強化のために推進していくことが求められているDXについて、その必要性や得られる効果のイメージがつかない方も多いのではないかと思います。

本記事では、DXの必要性、得られる効果や推進時のポイントなど、DXに関する情報をまとめました。

DXを推進されているユーザ企業の担当者様やCIOの方、今後DXの推進を担っていきたいと考えている方に役立つ内容となっています。

DXとは?

DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)について、経済産業省が発表した「DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~(以下DXレポート)」では、以下のように表現されています。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

(引用:経済産業省「DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~」

このことから、DXでは最新のデジタル技術を活用することで以下の2点を推進すると言い換えることができます。 

DXで推進すること>

  • 組織の在り方や業務自体を変革する
  • 製品やサービス・ビジネスモデルを変革する

また、IT化やICTInformation and Communication Technology:インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)利活用とDXの違いについて疑問に持たれる方もいるかもしれませんが、その違いについて、総務省が「平成30年版 情報通信白書」の中で以下のように述べています。

 最大の違いは、従来の情報化/ICT利活用では、既に確立された産業を前提に、あくまでもその産業の効率化や価値の向上を実現するものであったのに対し、デジタル・トランスフォーメーションにおいては、その産業のビジネスモデル自体を変革していくということである。
(引用:総務省「平成30年版 情報通信白書」


(出典:総務省「平成30年版 情報通信白書」

DXの必要性

新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルやサービスを展開する新規参入者の登場により、企業間の競争が激しくなってきていることから、自社の競争力強化のためにDXの推進が求められていると考えられます。その上で、日本におけるDXの必要性として以下2点を経済産業省はDXレポートの中で述べています。

<DXの必要性>

  • 既存システム(レガシーシステム)の残存リスク
  • 既存ITシステムの崖(2025年の崖)

(引用:経済産業省「DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~」

 それでは、上記のDXの必要性それぞれについて、もう少し詳しくみていきます。

 ①既存システム(レガシーシステム)の残存リスク

技術革新による代替技術が広く普及した段階で旧来の技術基盤により構築されているシステムや、投資効果から塩漬けされているようなシステムのことをレガシーシステムと呼びます。

レガシーシステムは、旧来の基盤であることから詳しく理解できているエンジニアが少なくなり、メンテナンスもできなくなることで自社のITシステムの中身がブラックボックス化しており、自社では修正できない状態になるなどの問題を抱えています。

このようなレガシーシステムが残存し続けることで、ブラックボックス化してしまっているシステムの運用・保守に多大なコストやリソースが割かれ、新たなデジタル技術などに投資が行われないことに繋がることが懸念されます。

また、システムの全貌を知る社員が退職していくことでシステムのノウハウが失われ、企業の競争力の低下につながる可能性も考えられます。

②既存ITシステムの崖(2025年の崖)

経済産業省のDXレポートでは、レガシーシステムが残存し続けた場合、IT人材の引退やシステムのサポート終了によるリスクの高まりによる経済損失は2025年から年間で現在の約3倍、約12兆円もの経済損失が発生すると予測されており、このことを「2025年の崖」と表現しています。

また、2025年の崖を迎えた場合の影響について、経済産業省のDXレポートでは以下のように述べられています。

この場合、ユーザ企業は、爆発的に増加するデータを活用しきれずにDXを実現できず、デジタル競争の敗者となる恐れがある。また、ITシステムの運用・保守の担い手が不在になり、多くの技術的負債を抱えるとともに、業務基盤そのものの維持・継承が困難になる。サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失・流出等のリスクも高まることが予想される。
(引用:経済産業省「DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」

DXにより得られる効果

経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討」の中に掲載されている、DXを推進している企業へのアンケート結果では、DXによって得られる恩恵として以下の5つが挙げられています。

<DXによって得られる恩恵>

  • 顧客からのロイヤリティ、顧客維持率の向上
  • 生産性向上
  • コスト削減
  • 利益向上
  • 新しい製品やサービスによる売り上げ

(引用:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討」


 (出典:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討」

①顧客からのロイヤリティ、顧客維持率の向上

企業にとって、顧客から良い評判を得て、顧客からの信頼を獲得し顧客維持率を向上させることは非常に重要であると言えます。

アンケート結果から、DX推進には顧客ロイヤリティや顧客維持率の向上に繋がる効果があることがわかります。

DXを通して業務を最適化することは作業時間の短縮に繋がります。
その分、新しいサービスの展開に向けた施策等にリソースを割くことができ、顧客に対してより価値のあるサービスの提供に繋がっていきます。

また、業務のデジタル化によってヒューマンエラーを削減することで正確性が向上し、顧客からの信頼も向上していくと考えられます。

②生産性向上

目次1「DXとは?」でご紹介した通り、DXでは組織自体、業務自体を変革します。

各部門の業務単位などの点での業務効率化ではなく、企業全体の視点からの抜本的な業務効率化を図ることになるため、結果として、今まで取り組んできた業務効率化と比べて大幅な生産性向上に繋がるケースも多いと考えられます。

③コスト削減

DXを通して、保守・運用に多大なコストと人材をかけているレガシーシステムを刷新することでコスト削減効果も得られます。

また、業務効率化による人件費の削減や、DXにより企業内のデータを可視化することで、そのデータを基に企業内の経費を見直すことが、コスト削減に繋がっていきます。

④利益向上

上記3つのメリットの通り、顧客維持率を向上させたうえで、生産性も向上し、コストの削減も図ることができるのであれば、企業利益は向上すると言えます。

利益の向上は企業としての新たなチャレンジにも繋がり、企業の競争力強化にとっても好循環を作ることができるのではないでしょうか。

⑤新しい製品やサービスによる売り上げ

最後に、DXは新しい製品やサービスを生み出すことに繋がることがわかります。

例えば、DXを通してシステム内のデータを社内横断的に共有できるようにすることで、各部門では気付くことができなかった価値に気づけ、新たな製品やサービスの開発に繋げることも可能になります。

DXでは、既存事業の拡大だけではなく、新たな製品やサービスによる売り上げを作り出せることが、大きなメリットとして上げられるといえます。


後編に続く

 

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