ガートナージャパン株式会社が、「Gartner IT Symposium/Xpo 2022」において、2023年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドとして、以下のワードを発表しました。

(出典)Gartner、2023年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表
本記事では、上記の10のトレンドの内、「オブザーバビリティ」に焦点をあて、オブザーバビリティとは何か。オブザーバビリティのメリットや必要性、なぜ今注目されているのかなど、オブザーバビリティに関する情報を解説します。
オブザーバビリティとは
オブザーバビリティとは、英語ではObservabilityと表記します。
「Observe (観察する)」+「ability (能力)」を組合せた言葉である通り、「可観測性」と翻訳されることが多いです。
「可観測性」と訳す通り、システム内部の状態をどれだけ観測できるかの能力を指しており、少し具体的にすると、システムの出力値を調査することによって、システム内部の状態を測定する能力を指しています。例えば、出力からの情報、つまりセンサーデータのみを使用して現在の状態を推定することができるシステムは「オブザーバビリティがある」と言われます。
オブザーバビリティのメリット
オブザーバビリティを向上させることの大きなメリットは、以下と考えています。
オブザバビリティを向上させることによって、組織はシステムのあらゆる変化を迅速に特定し、迅速かつ効率的に問題に対応することができるようになります。また、複雑なエラーやその他のアプリケーションの問題をデバッグするプロセスを簡素化することもできます。最後に、オブザバビリティは、ログレビューのような時間のかかる手動プロセスを排除し、問題の迅速な解決も可能にします。 近年、オブザーバビリティが注目されている理由の説明のために、まず「クラウドネイティブ」と「分散システム」について解説します。 「クラウドの利点を徹底的に活用するシステム」といった意味で使われ始めた言葉が「クラウドネイティブ」です。クラウドネイティブは基盤にクラウドを使うのは当然として、そのうえで実行されるアプリケーションにまで踏み込んで、クラウドに最適化することを指しています。 分散システム(distributed systems)とは、多数のコンピューターをネットワークで接続し、複数のコンピューターが連携して一つの作業を分担するシステムのことです。一つひとつのコンピューターは独立していますが、連携を取っているため外部からは全体が一つの高性能なシステムであるかのように見えます。 CIOの登用を検討されているユーザ企業の人事担当者様や、CIOを目指したいと思っている方、当協議会の活動に興味・関心を持っていただけた方は、ぜひメールマガジンのご登録をお願いいたします。 ご不明な点やご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
オブザーバビリティが注目される理由
(引用)https://cn.teldevice.co.jp/column/22384/
クラウドネイティブな分散システムの特徴は、「特定の機能を持つ複数のサービスを組み合わせて、1つのアプリケーションとする」点です。
(引用)https://www.intra-mart.jp/im-press/useful/distributed_systems
そのメリットとしては、機能の追加や変更が容易な点や、可用性やスケーラビリティの確保も容易な点等が挙げられます。
一方で、アプリケーションに障害が発生した際に、その原因を特定することが難しいといったデメリットがあります。
クラウドネイティブな分散システムの場合、システム内部で何が起きているのかを把握するには、アプリケーションを構成する全てのサービスの動きを見る必要があり、調査対象が数千となる可能性もあります。
DXの推進において、クラウドネイティブな分散システムへの移行が重要と言われる中、そのデメリットへの対応として注目を浴びているのが、オブザーバビリティなのです。
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